図書館

2F展⽰

・第11回卒業生記念品「Dead Sea Scrolls」(原色・原形復元死海写本)
死海とは、イスラエルにある地球上の最低地(海面下392メートル)に存在する湖で、主にヨルダン川が流れ込むが、周囲を岩山と砂漠に囲まれて水の出口がないため、水分は常に蒸発して、強烈な濃度の塩水湖となった。一切の生物の生存が不可能なため、死海と呼ばれる。
1947年の初夏、羊を追っていたベドウィンの少年が、この湖の西北岸にある岩山の洞穴で古い羊皮紙の巻物を発見した。そこは、クムラン洞穴と呼ばれるが、その後の200箇所以上に及ぶ大規模な探検で、発見はこの洞穴に止まらず、周辺の11箇所の洞穴に及んだ。発見された巻物とは、最初はイザヤ書、ハバクク書注解、教団戒律などであったが、やがて、エステル書を除く旧約聖書全体のヘブライ語写本、一部分のギリシア語写本、アラム語写本、その他の外典、偽典、聖書以外の文書などにも拡大した。
クムランには、紀元前二世紀にユダヤの王朝が建設した要塞があったが、それが後にユダヤ教の一派、エッセネ派の修道院となり、その廃墟には写経の作業が行われたと推定される部屋なども発見されている。クムラン宗団は当代を終末直前の時代と考え、エルサレム神殿体制の腐敗堕落を激しく糾弾し、厳しい禁欲修道に励んだ一派である。その一部は支配者ローマとの武装闘争をも辞さない過激派になった。洗礼者ヨハネがこのエッセネ派と関係があるのではないか、という説もある。いずれにせよ、このユダヤ教の中の禁欲的集団は、それの持つメシア思想、洗礼思想、終末思想などにより、初期キリスト教の成立となんらかの関係があると思われる。クムラン出土のユダヤ教関係の文書は、研究が進むにつれて、キリスト教の成立に測り知れない光を投ずるであろう。
この展示資料はイスラエル博物館の聖典聖堂収蔵「死海写本」をもとに、最も重要な「イザヤ書A」「共同体の規律」「ハバクク書注解」の3巻をセットとして、蓋つきの壺も含めて複元した「原色・原形復元死海写本」である。講談社から1979年に刊行された。

イザヤ書写本A 7.35m X 28cm

共同体の規律 2.00m X 25cm

ハバクク書注解 1.60m X 15cm

蓋付き壺

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