死海文書は、現在のイスラエルとヨルダンの間にある死海周辺の洞窟から見つかった約2000年前の古文書です。主に羊皮紙やパピルスの巻物にヘブライ語、アラム語、そしてギリシア語で書かれています。中でも、クムラン地域の11の洞窟で見つかった約800点の古文書の断片が有名です。
このうち200点は旧約聖書の写本、600点は旧約聖書には含まれないユダヤ教の文書(外典や偽点)と、これまで誰にも知られていなかった未知のテクスト群でした。その中には世界の終末や財宝のありかを示す文書まで含まれていました。クムラン地域以外の死海周辺でもさまざまな古文書が発見されており、それらを含めて死海文書と総称します。
展示資料は、イスラエル博物館の聖典聖堂収蔵「死海写本」を元に、最も重要な「イザヤ書A」「共同体の規律」「ハバクク書注解」の3巻をセットとして、蓋付の壺も含めて復元した「原色・原形復元死海写本」となり、講談社から1979年に400セット限定で刊行されたものの一つである。