学部長メッセージ

仙台白百合女子大学人間学部で
学ぶということ

学部長 大本 泉

 1966(昭和41)年に設置された仙台白百合短期大学(2003年大学に昇華統合)とともに、仙台白百合女子大学は、1996(平成8)年、日本で初めての「人間学部」単科大学として誕生しました。2021年、皆様のおかげをもち、開学25周年を迎えることができました。

 学長メッセージにありますように、学校法人白百合学園は、17世紀にフランスで福祉や教育活動を展開してきたシャルトル聖パウロ修道女会(現在の本部はローマ)を母体としています。同修道女会も2021年、創立325周年を迎えました。学園および修道女会の名は、国内のみならず、世界中によく知られています。東北で唯一のカトリック大学として、仙台白百合女子大学人間学部もキリスト教の愛の精神を教育・研究の主軸にして設立されました。

 仙台白百合女子大学人間学部は4学科で構成されていますように、愛の精神をもとに幅広い研究領域から人間を取り巻く様々な問題をとりあげて、学際的・専門的に追究していくことを目標としています。各研究領域の専門家である教員は、学生の皆さんが4年間で教養と専門的知識を得た「なりたい自分」に近づくお手伝いをすることを使命としています。

 ところで、帝国データバンクのデータによると、昨年度の日本の女性管理職の割合は、平均8.9%にすぎなかったそうです。欧米の先進諸国に比べると、先陣を切って社会に貢献して活躍していきたいと思っている女性にとって、日本はまだまだ劣悪な状況にあるといえるでしょう。女性が努力すれば、それぞれ「なりたい自分」の道を選択できる社会に改善していく必要があります。

 女子大学である本学は、周囲の目等を気にせず、学業に専心できる環境にあります。女性(あるいは弱者、あるいはマイノリティ)問題等も客観的に捉え、批判する表現力をもち、改善策まで考察できる力が養われるよう、1年生から演習の授業が設置されています。小規模大学の強みです。それは、学生と教職員との関係が密接で友達もつくりやすい環境にあることにも表れています。人生の先輩でもある女性の教職員が比較的多いので、雑談や相談をしているうちに得るものもあるでしょう。

 自分を大切にし、隣人を愛せる人はすてきな人です。人は人と出会い、コミュニケーションをとりながら、成長していきます。自立する力をもつことも「なりたい自分」を創造していくことも、人との関係性の中から生まれてきます。繰り返すことになりますが、仙台白百合女子大学人間学部は、一人ひとりのいのちが輝くように、各専門的な研究領域の切り口から人間を総合的に捉える力を修得するとともに、とくに自己と他者を愛することのできるしなやかでやさしい感性をもつ女性になることを目指す人格形成にも重点を置いているところに特徴があります。

 教職員一同、学生の皆さんそれぞれの目標がかないますようにいつも応援しています。

人間学部の教育研究上の目的

教育研究上の目的

人間学部は、キリストの教えに根ざした人間への愛と敬意を基に、幅広い教養と深い専門的知識、豊かな感性と社会感覚を身につけ、人間の真の幸福・平和・福祉に貢献できる自立した女性を育てることを目的とする。

人間学部・学科構成

在籍者数及び教員数

学科・専攻 1年生 2年生 3年生 4年生 在籍者計 教員数
子ども教育学科 36 - - - 36 15
人間発達学科
子ども発達専攻
- 28 36 43 107
心理福祉学科 44 51 56 58 209 13
健康栄養学科
管理栄養専攻
55 63 71 74 263 10
グローバル・
スタディーズ学科
32 49 56 58 195 14
合計 167 191 219 233 810 52※

学長を含む

単位の修得方法

学科・専攻/科目 共通科目 専門科目 卒業単位
子ども教育学科 30単位以上 70単位以上 124単位以上
人間発達学科
子ども発達専攻
29単位以上 70単位以上 124単位以上
心理福祉学科 30単位以上 70単位以上 124単位以上
健康栄養学科
管理栄養専攻
30単位以上 70単位以上 124単位以上
グローバル・
スタディーズ学科
30単位以上 70単位以上 124単位以上
取得学位
単位互換

共通科目

本学は人間学部として、学科の枠を超えて共通の理念を基に教育を展開しています。
本学の教育を表すキーワードである「人間性」「幅広い教養と豊かな感性」「グローバル化」などにかかわる科目を、学部共通カリキュラムとして用意しています。

建学の精神に関する科目

本学の建学の精神であるイエス・キリストの愛の精神を基にしながら、さらに広い視野から「人間」とその生き方について考察していきます。1~3年生まで展開される科目で、どの専門分野を学ぶにせよ、その基盤となる、本学における人間性教育の核となる科目です。

主な科目

●キリスト教学Ⅰ・Ⅱ ●人間論

教養共通科目

専門に偏らない幅広い知識を得、教養を広めるための科目です。教養共通科目は、人文・社会・自然という伝統的な区分で分けられ、それらを満遍なく学んでいくことで、人間を総合的に探究する、広い視野を身につけることができます。

主な科目

●哲学 ●文学 ●心理学概論 ●ジェンダー論 ●法学 ●教育学概論 ●環境科学 ●生命科学 ●統計学 ●情報処理 ●健康とスポーツ

グローバル化に関する科目

英語のレベル別のクラスでその人に合った教育を提供することで、英語力の確実なアップを実現します。1年次は総合英語、2年次は「聞く・話す」に重きを置いたオーラル・コミュニケーションが、すべての学科の学生に開講されています。また、学科の枠を超えて英語以外の外国語科目を履修することができます。

主な科目

●英語 ●オーラル・コミュニケーション ●中国語 ●韓国語 ●フランス語 ●ドイツ語 ●スペイン語

キャリア教育科目

就職など、卒業後の人生設計について学ぶため、キャリア教育科目が用意されています。1〜3年生まで開講され、本学の就職・キャリア支援体制の一端を担います。キャリア支援ガイダンスや各種の行事、各学科の専門職養成教育と連携しながら展開される科目です。

主な科目

●キャリア・デザインⅠ・Ⅱ・Ⅲ

基礎教育科目

高校までの学びと大学の学びには大きな違いがあり、新入生にとっての大きな戸惑いの一つとなっています。1年次には、大学で学ぶために必要なスキルを学ぶ科目が用意され、大学での学びにスムーズに入れるようになっています。こういったスキルは卒業後も社会で活かせるジェネリック・スキルの基盤ともなるものです。

主な科目

●共通基礎演習 ●日本語表現 ●情報処理概論 ●子ども教育入門 ●心理福祉基礎演習 ●健康栄養基礎演習 ●グローバル・スタディーズ基礎演習

カリキュラム・シラバス

人間学部では、ディプロマ・ポリシーを実現するためのカリキュラムマップを作成し、履修指導や授業の運営に活用しています。