中村真一郎は、1918年3月5日生れ、1997年12月25日に亡くなった小説家です。東大仏文科卒業後、1942年に福永武彦、加藤周一等と「マチネ・ボエティク」を結成し、戦後の1947年、評論集「1946 文学的考察」の刊行とともに、「死の影の下に」により、戦後派作家として位置づけられました。小説の他に、評論、翻訳、詩、戯曲と多方面にわたり活躍。古今東西の文学に造詣が深く、新しい文学方法を試み続けたスケールの大きい作家です。
2003年の暮、未亡人の佐岐えりぬ氏が、多くの大学がある中で、愛着のある御著書約130冊を本学に寄贈して下さいました。御趣旨は著書の散逸を防ぎ、できるだけ多くの若い世代にも中村真一郎の文学を読んでほしいとのことでした。他の大学にはない、本学独自の貴重なコレクションですので、一度手にとって読んでみることをおすすめします。図書館3階奥の棚に別置してあります。