食文化研究の旅は、所属学科を問わず海外の食文化に関心のある学生や、栄養士などとして活躍している卒業生を対象に実施しています。これまでにイタリア、フランス、スイス、ベルギー、ドイツを訪問し、多くの参加者を得ました。
イタリアでは、日本の大学としては初めてローマのスローフード協会と交流を行い、お互いが自国の料理を作って試食し合いました。また、現地の一流シェフの指導のもと、パスタやピザの調理実習をしたほか、パルメジャンチーズや幻の生ハム<クラテッロ>の工場見学などを行いました。
フランスでは、洋菓子の本場パリでパティシエ研修を実施しました。世界最高峰の料理学校のひとつ「ル・コルドン・ブルー」で製菓研修を受けたほか、さまざまな菓子店を訪問しました。そして、名所・旧跡を見学し、フランスの歴史や美術が洋菓子に与えた影響などを幅広く学びました。
またスイスにおいては、多民族国家独特の食文化に触れ、チーズ工場で実習したり、ワインセラー、ミネラルウォーター工場、チョコレート工場等を見学しました。さらに、国連ヨーロッパ本部で研修を行い、スイスならではの体験ができました。
今後も、人と食の関係や食文化の奥深さを追求する特徴ある研修旅行を実施する予定です。

2017年度 栄養士研修の旅 報告

北欧(福祉国家スウェーデンとデンマーク)視察研修 引率者 菅原 詩緒理

 2017年2月18日~26日の9日間、参加者13名と共に北欧(福祉国家スウェーデンとデンマーク)視察研修の旅を実施しました。本学科の、人と食との関係や食文化の奥深さを追求することを目的としたこの研修は、今回で9回目を迎えました。この研修は、毎年目的地や研修内容については学生が主体となって決めていき、現地一流シェフの指導のもとに行う調理実習、製菓研修、工場見学といった、一般の観光旅行では決して体験することができない内容となっております。今年度は、新しく海外の栄養士・管理栄養士の活躍の現状視察を行う研修の旅を企画しました。
 始めにライフサービス&ケータリング社のSODEXO社を訪問しました。世界で19番目に大きな企業で5000人もの公認栄養士を雇用し、医療や福祉へ食のサービスを行っていました。次に、KAROLINSKA大学病院を訪問しました。ヨーロッパで最も規模の大きい病院で、患者firstをモットーに、管理栄養士は9年間で15名から55名へ雇用枠が増え、働きながら博士号を目指す管理栄養士もいました。MOLLEVANGSSKOLAN SCHOOLでは、ランチバイキングを児童と共に食べました。その後、学校給食に関して講義を拝聴しました。福祉国家の国では、学校給食は重要であり、2020年までに100%のエコロジカルな食事を目指すということでした。最後に、コペンハーゲンの配食サービスのMADSERCICE A LA CARTE社を訪問しました。
 企業、病院、学校における管理栄養士の業務視察を終え、各職域におけるやりがい等を肌で感じることができました。また、日本の管理栄養士と異なる点を比較し、意見を交換することで、参加者それぞれの視野が広がったと思います。これから先、どのような管理栄養士を目指して進むのか、そのきっかけになることを願います。

2014年度 仙台白百合女子大学 食文化研究の旅 報告

~オーガニックの最新情報を訪ねるカリフォルニア8日間~ 引率者 山城 秋美

 今回の食文化研究の旅は、2015年2月20日から27日まで、カリフォルニアを中心に8日間の日程で行われ、健康栄養学科学生18名(1年2名、2年3名、3年13名)、人間発達学科学生2名(3年1名、4年生1名)の合計20名が参加しました。
カリフォルニアを代表する2大都市のロサンゼルスとサンフランシスコを中心に、カリフォルニアの食文化を探求し、多民族国家ならではの多彩な食事を経験しました。地元野菜の「ファーマーズ・マーケット」では、興味深い食材や調理器具がたくさんあり、サンフランシスコの街中でホームメイド・クッキー作りも体験できました。ナパの高級食材Dean&Delucaは日本のショップとは比較にならない広さで、豊富な食材と出会い、ナパ・バレーでは「パラダイスリッジ・ワイナリー」を訪問し、風光明媚さにとても感激しました。路面電車と地下鉄で移動したバークレーでは、オーガニック料理のカリスマAlice Watersのシェ・パニーズ・レストランのランチを食べて記憶に残りました。
農業・オーガニック関係の現地専門家によるレクチャーでは、最新事情を学びました。本場の「ディズニーランド」を満喫し、スヌーピーで知られる、PEANUTS誕生65周年を迎えた「シュルツ・ミュージアム」、ウォルトディズニー博物館も見学しました。

学生の感想から
どのスーパーにもピーナッツバターやアーモンドバター、ドライフルーツなどが売られていることからアメリカに住む人々にとってこれらの食材は需要の高い食品であるということがわかりました。また、需要が高いということから多くの量を買う人も少ない量を買う人も同じ値段になるよう量り売りが主流になっているのだとも感じました。

アメリカはジャンクフードを主に食べているイメージで、どんなことを食文化を学ぶのかが気になって参加した。サンフランシスコでは主に食に対する意識が高いように感じた。たとえば野菜でもいろとりどりの種類の野菜がありバランスが良いように感じた。また、China townやJapan料理店、シーフードなど幅広く食文化を取り入れている点に驚かされた。

特に興味を持ったのはオーガニックのお店です。日本との違いがありました。売られているサプリメントの量や種類が多く、野菜も見たことのない種類の物がありました。また、販売の仕方もパッケージよりも量り売りが多かったです。オーガニックは一般の物と比べ値段が高いですが、お店のブランドで安く提供できるようにしていたのが良いと思いました。食習慣や意識の違いも知ることができて良かったです。

この旅に参加した理由はオーガニックの食品に興味があり、体に良いという点で他国の意識の高さを知り、日本との比較をしたかったからです。ホールフーズマーケットの店内は興味深く観察することができました。自分で惣菜を選んで夕食に食べましたが、とても美味しかったです。食材の種類も非常に多いと感じました。そして、8日間を通してアメリカはオーガニックのスーパーが多いなと思いました。今回驚きと反省の連続でした。市川さんのお話は本格的な農業の説明で少し難しく感じましたが、やはり作ってくれる方のおかげで私たちは食べることができるため、食品の流通という点で学ぶことができました。
今回の旅は非常に充実した内容でした。ここから興味をとさらに広げて自分の知識として身につけたいです。

  • 食文化研修スタート!

  • ディズニーランド

  • DEAN & DELUCA

  • サンフランシスコ市内 路面電車

  • Whole Foods Market

  • オーガニックレストラン・シェパニーズ

  • ゴールデンゲートブリッジ