合同ゼミ合宿で模擬国連を行いました!

11月25日から26日にかけて、本学の国際関係論ゼミの学生が山形大学のグローバル・ガバナンス論ゼミと国際法ゼミの学生とともに、蔵王温泉において模擬国連会議を実施しました。模擬国連とは、学生が一国の大使として実際の国連会議をシミュレーションする活動であり、日本各地で盛んにおこなわれています。学生は、会議の議題と自分が担当する国の実情や外交政策を事前にリサーチして会議に臨みます。今回は、今まさにドバイで開催されている国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)という設定の下、気候変動対策について多角的な議論が行われました。パリ協定発効後、初めてのグローバル・ストックテイク(パリ協定の目標に向けた取り組みの世界全体の進捗状況を五年ごとに評価する仕組み)を踏まえて、各国の削減目標をいかに引き上げていくか、焦点となってきた化石燃料や石炭火力発電をどうするか、「損失と損害」のための基金をいかに軌道に乗せていくかなど、おそらく実際のCOP28でも争点になるであろう論点を中心に交渉や調整が行われました。大変難航しましたが、最終的に「カバー決定」(全体的な決定や重要な政治的メッセージが盛り込まれた文書)を採択することができました。COPにおける決定は、コンセンサスによってのみ行われることとなっており、学生たちにとって、多数決ではなく「だれ一人取り残さない」意思決定の難しさや最後まで粘り強く説得を続けることの重要性を体感する貴重な機会になりました。

セバスティアン・マスロ(GS学科)、丸山政己(山形大学人文社会科学部)、中村文子(山形大学人文社会科学部)