活躍するOGからのメッセージを紹介いたします。
※所属・役職は公開日時点のものです。
第4回 (2024年5月13日)
東北大学病院診療技術部栄養管理室 副管理栄養士長 布田 美貴子さん
人間学部人間生活学科健康栄養専攻 5回生
仙台白百合女子大学では、現在の私の基盤となる、とても充実した4年間だったと思います。私が仙台白百合女子大学を選んだのは、管理栄養士を目指していたので、管理栄養士の養成カリキュラムがあったことと、もともと盛岡白百合学園高等学校出身であり、白百合学園という穏やかな校風が気に入っていたからだと思います。在学4年間のなかで、もっとも印象に残っているのは、フランス・イタリアに2週間の研修旅行に行ったことです。個人的な旅行では見学できないような教会や美術館などをたくさん見ることができ、また現地の食を楽しむことができました。スケールの大きさや日本とは異なる文化に触れ、自分自身の価値観が大きく広がったことを感じました。この経験は、相手の考えを尊重しつつ、自身の考えも伝えていくことが必要な現在の業務にも活かされていると考えます。
私が病院の管理栄養士を目指したきっかけは、東北大学病院で臨地実習をさせていただいたことでした。それまでは管理栄養士が何をする職業なのか、何ができるのか、教科書にあることを漠然とイメージしていただけでした。実習では、管理栄養士が患者さんひとりひとりの話を聞き、医師や看護師をはじめ、ほかの医療スタッフの皆さんと話し合いをしながら、病状病態を踏まえた提案をされている姿を見ました。私は、管理栄養士という職業が、病院の中で治療に携わる一職種として、ひとりひとりの患者さんの食事や栄養の困りごとに寄り添って、支援ができることを知り、病院管理栄養士になりたいと強く思うようになりました。その後、縁があって病院の管理栄養士になる機会を得ましたが、医療の進化に伴い、常に勉強は必要です。それでも患者さんひとりひとりの声に耳を傾け、より良い方法を模索しながら支援していくことは変わりありません。今も患者さんからの「栄養士さんの話を聞いて安心した」「ありがとう」という言葉に励まされ、やりがいを感じています。
患者さんにとって、食事は日常生活の一部であり楽しみのひとつ。だから不安。私は病院の管理栄養士としてその不安を安心に変えていく支援をしていきたいと思っています。そして、ひとりひとりの患者さんが最後まで食事が楽しみのひとつであることを願っています。