活躍するOGからのメッセージを紹介いたします。
※所属・役職は公開日時点のものです。
私が仙台白百合女子大学を選んだのは、管理栄養士免許取得が目指せる養成校であったことと、自宅から通学できるという理由でした。「人間学部」という名前がユニークだと感じ、カリキュラムについて情報収集し、オープンキャンパスに参加して学校の雰囲気を見たり、在学生の方のお話を聞いたりしました。少人数制(当時栄養士課程は60名)で学生と教員がじっくり向き合え、学生生活だけでなく国家試験対策や就職の相談など手厚いサポートが受けられそうだと感じ、入学を決めました。
在学時代の思い出で印象に残っているのが3つあります。1つ目は校外実習、2つ目は魅力ある教養科目、そして3つ目は国家試験対策の勉強です。
1.校外実習
実習は、仙台市内の小学校と医療機関、区役所に行きました。栄養士業務の見学をするだけではなく、栄養士さんが日々どんなことを考え、どんな思いを持ちながら地域の方に接し、治療を必要とする方に関わっているか、学内の講義だけでは得られない貴重な学びを得ることができ、管理栄養士という専門職を志すにあたって、とても良い刺激を受けました。
2.教養科目
栄養士取得のための必修科目の勉強も面白さを感じていましたが、大学では教養科目が充実しており、なかでも故・岩田靖夫教授の人間論という講義はインパクトがありました。マズローの欲求5段階説の講義中だったと思いますが「ねぇ…君はさ、人間は何のために生きてると思う…?」とサラリと急に当てられたものですから、大学入学までは何となくボーっと生きてきた私にとっては「エッ???」と目が覚める思いでした。それがきっかけで、自分自身がどのように生きるべきか、他者とどう関わっていくか考えを巡らせる機会となり、人生の道しるべとなる基盤が在学中に培われたように思います。人生の岐路に立ったり、辛い思いをしたとき、そこで私を助けてくれるのが大学で出会った哲学だったと今では思っています。
3.国家試験対策の勉強
管理栄養士合格を目標に、クラスの仲間で集まって、学内で黙々と勉強をしました。卒業旅行先のホテルの部屋でも集まって問題を出し合って勉強したこともあります。思うように点数が上がらない、合格できるのか不安になりましたが、皆で乗り越えて合格できたのは良い思い出です。
就職先は、親族に1型糖尿病の方がいたことがきっかけで糖尿病治療に関心があったので、医療の土台を担う栄養管理や食事療法の仕事に携わりたいと考え、宮城県内の総合病院の管理栄養士として就職しました。その他、数カ所の医療機関に勤務したのちに、起業しました。自社では医療機関での健康・食事相談の他、自治体での料理講習会、食事療法を必要とする方に向けたレシピ開発を書籍やWeb向けに制作しています。
さらに、スキルアップし仕事の幅を広げたいと考え、看護学校に入学し看護師免許を取得しました。30歳を過ぎて久しぶりの学生生活や病院実習、国家試験は気力・体力的にも決して楽ではありませんでしたが社会人になってから学びなおすことは意外と楽しく感じました。 現在は管理栄養士×看護師として仕事をしています。医療分野で働く機会が多いため、患者さんの生活全般の相談に乗ることも多く、他職種の医療従事者との意見交換も活発に行います。大学で学んだ“人間を多角的な視点からとらえる”ということが役立っています。自分が本当にやりたいことと、何を仕事にしてキャリアを積むか。そして家庭内役割とどううまくバランスを取るか年齢を重ねるごとに悩みは尽きませんが、大学の同級生と会って話したりするのが良い息抜きになっています。時代の流れを見ながら自ら考え、学び続けることの大切さは今も活かせているように思います。
一般社団法人食サポートオフィス
http://www.shokusupport.com/