プロフィ-ル
健康栄養学科
特任教授
谷内 一彦
やない かずひこ
専門分野
薬理学、臨床薬理学、PET(Positron emission tomography)分子イメージング
主な研究テーマ
ヒスタミンとヒスチジンの薬理学、PETプローブの基礎開発と臨床応用、PETによる認知症の超早期診断法開発
主な担当科目
『解剖生理学IとII』『解剖生理学実習IとII』『病気と栄養IとII』『健康栄養研究法ⅠとII』『健康栄養研究法ⅠとII』『総合演習I』
主な業績
- 谷内一彦 抗ヒスタミン薬の薬理作用 アロス エルゴン Vol.2 (no.2):646-651, 2022
- 谷内一彦 “善玉”としてのヒスタミン:花粉症から薬の作用を考える 東北大学出版会 2022.2.13 ISBN: 978-4-86163-363-8
- Kazuhiko Yanai & Maria Beatrice Passani. The Functional Roles of Histamine Receptors. In Current Topics in Behavioral Neurosciences (CTBN, volume 59), Springer 2022. ISBN: 978-3-031-16997-7
- Yanai K, Yoshikawa T, Church MK. Efficacy and Safety of Non-brain Penetrating H1-Antihistamines for the Treatment of Allergic Diseases. Curr Top Behav Neurosci. 2022;59:193-214.
- Okamura N, Yanai K. Brain imaging: Applications of tau PET imaging. Nat Rev Neurol. 2017 Apr;13(4):197-198.
谷内先生からのメッセージ
新しく特任教授になりました谷内一彦(やないかずひこ)です。本籍は山梨県都留市ですが、15歳の時に仙台一高に入学して以来50年ほど仙台に住んでいます。1981年に東北大学・医学部を卒業して医師免許取得後に5年ほど小児科医として勤務しておりました。米国ジョンスホプキンス大学への留学後に薬理学教室に異動して今年3月に東北大学医学部薬理学教授を定年退職(東北大学名誉教授)しています。専門は広義の薬理学研究(分子薬理学、応用薬理学、精神神経薬理学、臨床薬理学、神経科学、放射性医薬品化学など)です。最近、産業医資格を取得して本学の産業医活動を開始しています。
今年3月に東北大学出版会から「善玉としてのヒスタミン:花粉症から薬の作用を考える」(ISBN:9784861633638)を出版しました。ヒスタミンはアレルギーの起因物質として一般には「悪玉」と考えられていますが、最近の研究からヒスタミンの生理作用は生体にとって有益であることが多いことが明らかになっています。ヒスタミンは必須アミノ酸のヒスチジンから体内で合成されます。私たちの研究成果からヒスチジンは疲労感軽減と認知機能亢進に効果がありますので、味の素(株)から2016年に機能性食品として販売されています。
病気になって医薬品で治療するより、栄養や運動等による生活改善を行い病気にならないようにすること、すなわち予防医学が最も重要と考えています。薬理学の専門家として医薬品と食品の垣根が無くなってきていますので管理栄養士の重要性が益々増大すると思います。